遺言執行契約のご案内

 遺言書は、作れば必ず執行されるものではありません。 それは、公正証書であっても同様です。 遺言書が執行されないパターンは大きくふたつ。

 ひとつめは、声の大きい親族のひとりが、遺言書と異なる内容で強引に作成した遺産分割協議書に、相続人全員がはんこを押してしまうケースです。 相続人全員が合意してしまうと訴える人がいないことになりますので、道義上の問題はあったとしても実務上の問題は起きないのです。

 もうひとつは、いろいろと慌ただしい中で、遺言関係の手続に慣れていないご家族が、遺言書の処理を大変な重荷に感じてしまったり、 相続で不利になる人が先に見つけてしまった場合などに、遺言書を見なかったことにしてしまうケースです。

 もちろん、遺言書を隠匿すれば罰せられますが、誰にも訴えられなければ、何事もなかったように相続は終わってしまうのです。 遺言書は、お世話になったことへの報いであったり、弱い人を守るためであったりと、自分の様々な思いを実現ために作る法的文書です。 それを、誰かの我がままでなかったことにされてはたまりませんね。

 でも大丈夫です。こうさせないための手段が用意されています。それが遺言執行者の指定です。 遺言執行者が指定されている場合は、遺言内容と異なる遺産分割を行おうとしても、遺言執行者が同意しなければ行うことはできません。 ご家族にとって重荷になる相続手続きも、専門家に遺言執行を依頼しておくことでスムーズに進めることができるようになります。 作成した遺言書の原本を遺言執行者に預けておけば、隠匿される心配もなくなります。 遺産分割が終了したあとに遺言書が見つかった場合でも、遺言執行者が指定されていれば遺言通りにやり直すことができます。

 真剣に考えて作った遺言書は絶対的であるべきで、四の五の言わせる余地を残すべきではありません。 多くの方が、専門家のもとで遺言書を作成して、執行を依頼している理由はそこにあります。

 弊所は、提携している弁護士、税理士、司法書士とともに責任を持って遺言を執行し、ご家族に代わって相続手続きをスムーズに行い、相続税の申告等に支障が出ないようサポートしております。 弊所の遺言執行サービスを是非ご利用ください。

遺言執行者が必要なケース


【以下のケースは指定が必須です】
①遺言で子を認知する場合
②遺言で特定の人を相続人から排除する場合
③遺言で相続人の排除を取消す場合

【指定を推奨するケース】
①相続人以外に不動産を遺贈する場合
②声が大きく強引な親族がいる場合
③相続人に行方不明者や遠方の人がいて手続きが難しい場合
④相続人に法律に詳しい人がいない場合
⑤その他確実に遺言を執行してもらいたい場合

(参考)相続人以外の人に不動産を遺贈する場合は、相続人全員で登記手続きを行うことが求められますが、多くの場合協力を得られることは困難です。 このような場合でも、遺言執行者は単独で登記手続きを行うことができます。 相続税の申告期限まではたったの10か月しかありません。相続手続きをスムーズに進められるようにしておいてあげましょう。

執行条項作成および契約料



※ 遺言執行に関する条項を遺言書に記載する必要があります。自筆証書遺言作成サポートと同時にお申し込みください。
※ 執行報酬は、執行財産の1%、最低保証額は30万円です(執行にかかった実費は別途)。執行時に相続財産から差引かせていただきますのでご用意の必要はございません。

遺言執行の流れ


 遺言執行者が指定されている場合は、相続人全員から遺言書と異なる内容の遺産分割を求められたとしても、遺言執行者はそれに同意せず、 遺言書の内容に基づいた執行をすることができます。 基本的に、相続人の代表者を決めていただき、その方を窓口にして執行を進めていきます。

 ①相続人全員の戸籍を収集して相続人を確定します
 ②遺言記載の相続財産の目録を作成します
 ③相続人全員と受贈者に、遺言書、相続関係図、相続財産目録を添えて、遺言執行者就任通知書を送付します
 ④受贈者がいる場合は、受贈の意思を確認します
 ⑤上記と並行して、裁判所で検認の手続きを行います(概ね1か月程度かかります)
 ⑥遺言執行人権限で遺言を執行します
   (執行例)
   a.銀行口座の解約
   b.保険の請求
   c.不動産の売却
   d.金銭の取立て(弁護士と連携)
   e.財産の処分(換価)
   f.遺産の分配
   g.遺贈の執行
   h.寄付の執行
   i.登記申請(司法書士と連携)
   j.相続税の納付(税理士と連携)
   k.認知の戸籍申請
   l.SNSデータの削除依頼
   など
 ⑦相続人全員と受贈者に、執行内容の報告書を送付します

 

遺言執行者を指定する文例


第〇条 遺言者は、本遺言の遺言執行者として、下記の者を指定する。
 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目4番11号1004
 シモン行政書士事務所
  行政書士 坂本士文
  日本行政書士会連合会 登録番号 第15080627号

第〇条 遺言者は、遺言執行者に対し、本遺言を執行するため、他の相続人の同意を要することなく、単独で下記を行う権限を付与する。
  ① 不動産、預貯金、株式その他の相続財産の名義変更、解約及び払い戻し
  ② 貸金庫の開扉、解約及び内容物の取出し
  ③ 遺言者の債務に対する弁済
  ④ その他本遺言書を執行するために必要な一切の処分を行うこと

遺言執行者を指定する際の注意点

 相続させる旨の遺言については、遺言執行者による遺言執行の余地はないとされています。 つまり、相続させる旨の遺言部分については、せっかく遺言執行者に指定していただいたとしても何もしてあげられなくなってしまいます。 遺言執行者を指定する際は、法定相続人に相続させる場合であっても、「相続させる」という表現ではなく「遺贈する」という表現にしておいてください。



公正証書遺言作成サポート

  公証役場で遺言を公正証書にすることができます。 公正証書の原本は公証役場に保管されるので、紛失や改ざんの心配がなく偽造を疑われる余地がありません。 金融機関によっては、自筆証書遺言だと預金を引出す際に相続人全員の同意書を求められる場合がありますので、その点でも有利です。 公正証書にすることで、死亡後に裁判所の検認を受ける必要がなくなりますが、証明書類の取寄せや確認作業に時間を要するため、 公正証書遺言の作成には数週間かかります。

こんな方は公正証書にすることをお勧めします(民法改正までは)


  1. 相続人の中に遺言書の無効を主張しそうな面倒な人がいる
  2. 全文を自筆するのが困難(秘密証書にもできます)
  3. 死亡後ただちに手続きに入れるようにしておきたい

料金・報酬


  一式 78,000円。書類取り寄せ等の実費は別途。
  公正証書作成時の証人が必要な場合は、一人10,000円でご用意します。(2名の証人が必要です)

初回にご持参いただくもの


  ①ご本人の確認資料(免許証や保険証など)

後ほど追加でご用意いただくもの


  ①ご本人の戸籍謄本(本籍地 出生~現在)
  ②ご本人の印鑑登録証明書(市町村窓口)
  ③相続人全員の戸籍謄本、遺贈者の住民票
  ④不動産の登記謄本(法務局)
  ⑤固定資産評価証明書(市町村窓口)
  ⑥預貯金口座番号と預貯金額のメモ
  ⑦証券番号と残高の記載されたメモ
  ⑧車検証のコピー
  ⑨絵画・装飾品などの動産の価額のメモ

公証役場で支払う手数料

公正証書作成日当日に、公証役場で公証人に支払う手数料です。

相続財産の価額公証人の手数料
百万円まで5,000円
~2百万円まで7,000円
~5百万円まで11,000円
~1千万円まで17,000円
~3千万円まで23,000円
~5千万円まで29,000円
~1億円まで43,000円
~3億円まで5千万円毎に13,000円
~10億円まで5千万円毎に11,000円
~10億円超5千万円毎に8,000円
※これは、相続人ひとり当たりの手数料です。相続人が複数いる場合は、それぞれの相続額の手数料を求めて、最後に全員の手数料額を合算します。 相続財産の総額が1億円未満の場合は、全員分の手数料額に11,000円を加えます。遺言者が入院中などで、公証人に出張してもらった場合は総額の1.5倍になります。 その他、用紙代数千円が必要になります。

不動産と預貯金の総額4,400万円を、妻と4人の子が相続する場合の例

妻の相続額は2,200万円なので手数料は23,000円、子ひとりの相続額は550万円なので一人当たり17,000円となり
23,000円 + (17,000円 x 4) = 91,000円
相続財産の総額が1億円未満なので11,000円が加わり、公証人に支払う手数料は10万2,000円となります。